【やらないと損?】ふるさと納税に違和感しか感じない理由

ふるさと納税はやらないと損?得するからやる?

お金

ふるさと納税やってますか?

「高級牛肉がもらえたよー」

「美味しいお米が届いたよー」

という人が周りにも多いんじゃないでしょうか。

わたしはふるさと納税を一度も利用したことがありません。

「えーもったいない。やらないと損だよ」

と言われることも多いです。

たしかに多くのFPも

「税金が控除(還付)されます!」

と言って紹介していますし

ランキング形式で返礼品を紹介しているところもたくさんあります。

やればお得なのはわかりますけど、それでもわたしがやらない理由は

違和感しか感じないからです。

ちょっと大げさに言えば

「自分だけが得して、誰かが苦しんでいるのでは意味がない」

と考えているからです。

そもそも「ふるさと納税」とはなんのための制度なのか

故郷

「ふるさと納税はお得だからやらないと損!」

という情報だけでやっている人が多い印象です。

  • なぜ得できるのか(自分も相手もお得なのか)
  • なんのための制度なのか

を考えて、理解・納得して利用してほしいんですよね。

世の中には「お得」を前面に押し出してセールスしているものがたくさんあります。

そんなときも「なぜ?」を考えればワナにはまる確率が減るはずです。

※ふるさと納税はセールスでもなくワナもありません

ではそもそもふるさと納税の目的はなんなのでしょうか。

多くの国民が、地方のふるさとで生まれ、教育を受け、育ち、進学や就職を機に都会に出て、そこで納税をする。その結果、都会の地方団体は税収を得るが、彼らを育んだ「ふるさと」の地方団体には税収はない。そこで、今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意志で、いくらかでも納税できる制度があってもよいのではないか、という問題提起である。

出典:総務省「ふるさと納税研究会報告書」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/furusato_tax/pdf/houkokusyo.pdf

簡単にいうと

「今は都会で働いて納税しているけど、生まれ育ったふるさとに頑張ってほしい・恩返し(納税)したい。」

といった感じでしょうか。

久しぶりに地元に帰ったときに

  • かつてにぎやかだった商店街はシャッター通りになり
  • 若い世代が少なく、公園には子供の声も聞こえない
  • 高齢者が増え、伝統の祭りも規模が縮小されている

なんてことも多いのではないでしょうか。

自分が地元に出向いてボランティアしたり、寄付するのはちょっとハードルが高い。

そんなときにもともと納税する予定の一部をふるさとに、というのは確かに良い方法ですね。

実際にふるさと納税を利用している人たちの理由

ギフト

平成30年度のふるさと納税受入額は約5,127億円で、約2,322万件です。

平成25年度が約145億円で約43万件なので近年急増していることがわかります。

「NTTコム リサーチ」 が、登録モニターのうち全国20歳以上の男女(学生を除く)を対象に、「ふるさと納税」について調査を実施(有効回答者数は1,122名)これによりますと、

「ふるさと納税」による寄付を実施した理由は、高い順に「返礼品への興味」(38.4%)、「節税対策」(31.4%)となっています。

ふるさと納税した理由

「NTTコム リサーチ」調べ:出典「NTTコム リサーチ」

この約70%の人たちがどれだけその地方を応援した気持ちがあるかは不明です。

ただ言えるのは

「ふるさと納税を受け入れるために返礼品競争になっている」

ということです。

地元の特産品を返礼品としておくるのなら、地域産業の活性化にもつながって

ふるさと納税する側もされる側も両者が得するイメージができます。

ただ利用者の多くが返礼品をカタログショッピングのように選んでいるだけじゃないでしょうか。

返礼品がギフト券や家電製品や宝飾品などになって、もはやなんのための制度かわからない時期もあったようです。

2019年6月1日からは

  • 返礼品の返礼割合を3割以下とすること
  • 返礼品を地場産品とすること

と総務省から通達されています。

自分さえ良ければいい、ではうまくいかない

チーム

「競争によってわたしたちが得できるからいいじゃない」

という気持ちもわかります。

メディアによって「ふるさと納税=お得」のイメージが広まっているので

「やらないと損」

と思う人が多いわけです。

ただあなたが得でも、その裏で誰かが泣いている可能性だってあるわけです。

あなただけが得をするのではなく、誰かが喜んでくれてるイメージができると

「良いことをしたな」

となるはずです。

わたしがふるさと納税に違和感を感じているのは

「自分さえ良ければそれでいい」

という感覚で利用している人が多いと感じるからです。

制度がダメなのではなく、制度を利用することで誰かを応援することができる、という気持ちを持ってもらいたいですね。

これって投資も同じですから。

自分だけ得することより、より良い製品やサービスを作ってくれる起業を応援して、結果的にリターンを得るのが投資です。

まとめ

秋

ふるさと納税はたしかにお得な制度です。

ただ本来の目的は生まれ育ったふるさとを応援する仕組みです。

直接お世話になっていない街でも

「これからも美味しいお酒を作り続けてほしい」

という思いがあれば、その街にふるさと納税するのもいいでしょう。

「自分だけが得をすることを考えるのではなく、誰かを応援することで結果的にお礼を受け取る」

ふるさと納税を利用する人がそんな気持ちをもてば、もっと良いサイクルが生まれてくるはずだと思っています。

 

 

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