大学までの教育費は平均いくら?学資保険に入るべき?
お金の不安といえば「老後資金」とならんで「教育資金」と答える子育て世代も多いはずです。
「子供の教育費っていったいどのくらいかかるんだろう」
「住宅ローンを返済しながら、老後資金を貯めつつ、教育費を払っていけるのだろうか」
そして
「やっぱり子供が生まれたら学資保険に入るべきでしょうか」
という質問を受けます。
私の考えは
「否定もしないけどオススメもしない」
です。
なので
「子供の教育費はコツコツ貯蓄しつつ、できれば可能な範囲で資産運用にチャレンジしよう」
というのが私のオススメ方法です。
この記事を読めば学資保険が優れた金融商品というわけではないことがわかります。
結論を一言でいうと
「子供が生まれたら学資保険」は保険会社の営業戦略である
ということです。
大学卒業までにかかる教育費
我が家は2021年6月に第一子が生まれました。
なので私も子供の教育費について考えなければ行けない立場です。
現在の日本で大学卒業までにかかる教育費はどのくらいかかるのでしょうか。
ちょっと古いデータですけど次のとおりです。
ざっくりと1000万円はかかると思っておくべきでしょう。
子供が2人、3人となると、、、
「そんな大金、我が家で用意できるんだろうか」
と不安になりますよね。
大金ですけど、一括で支払うわけではありません。
必要な時期もハッキリわかります。
基本的には早めにコツコツ貯蓄を始めることです。
できれば可能な範囲で資産運用にもチャレンジしましょう。
児童手当に手を付けずに貯めていくのも一つの手段です。
児童手当は生まれてから中学校卒業まで約200万円を受給できます。
それでも足りなければ
- 国の教育ローン
- 民間の教育ローン
- 奨学金
を利用する手もあります。
さらに教育無償化の流れもあります。
それから両親の援助を受けられるなら、
教育資金の一括贈与は受贈者1人につき1,500万円まで
結婚子育て資金の一括贈与は受贈者1人につき1,000万円まで
非課税という制度もあります。
(まとまったお金を贈与できますが、細かな条件が多いです)
ただ将来的に高い授業料を払ってまで大学に行く価値があるかわかりません。
オンラインで質の高い教育が低価格で受けられるようになりつつあります。
大学で学びたいこともないのに
「とりあえず大学くらい出ておかないと」
という考えはすでに過去のものになりつつあるのではないでしょうか。
「子どもが生まれたら、学資保険に加入!」は過去の話?
子供が生まれると両親など周囲から
「学資保険に入るといいよ」
とすすめられたかもしれませんね。
学資保険とは
学資保険とは、その名の通り、子どもの学資金(教育資金)を準備するための貯蓄型の保険のことです。毎月決まった額の保険料を払うことで、子どもの成長に合わせた進学準備金や満期学資金を受け取ることができます。
さらに、突然の事故などにより親(契約者)が亡くなった場合は、それ以降の保険料の払込が免除となり、保障がそのまま継続され学資金を受け取ることができるのも大きな特長です。
また、学資保険には子どもの医療保障などが付いたタイプもありますが、さまざまな特約を付けると学資金の「返戻率(へんれいりつ)」が100%を下まわる場合もあります。出典:ソニー生命ホームページ https://www.sonylife.co.jp/gakushi/aboutgakushi/
貯蓄できて万が一のときは保険料の払込免除による保障も受けられる、と聞くと魅力的に思うかもしれません。
あなたの両親などは返戻率が高かった頃に加入していた経験から、学資保険を進めている可能性があります。
しかし世の中は超低金利。
昔は高かった学資保険の返戻率は下降気味です。
現在はリスクを取らずにお金を増やす方法は基本的にありません。
学資保険はインフレリスクに対応できない
日本銀行は、消費者物価の上昇率(インフレ率)を年2%とする「物価安定の目標」を掲げ、目標の実現に向けた金融政策を行っています。
とはいっても一向に目標を達成できていません。
今後どうなるかもわかりません。
ただ現在はコロナ対策で世界中のお金がじゃぶじゃぶにあふれています。
コロナが収束しリベンジ消費と呼ばれることが起きると、需要が一気に増え物価上昇する可能性はあります。
100円で買うことができた水が、1年後に150円になったとします。
今持っている100円では1年後に水を買うことができない、つまりお金の価値が減ってしまいます。
緩やかなインフレであれば企業の収益が増え、働く人の収入が増え、預金金利も高くなっていくでしょう。
問題はこの学資保険です。
学資保険は契約した段階で満期時に受け取る金額が決まります。
つまり契約後にインフレが起こり物価上昇した場合、受け取る金額の価値が下がってしまいます。
「じゃあインフレになったら解約して定期預金にすればいいんじゃない?」
残念ながら多くの場合は途中で解約すると元本割れします。
すでに契約してしまっているなら無理に解約することはオススメしません。
もし学資保険を契約するかどうか迷っているなら、私としては
- 毎月コツコツ積立預金する
- 可能であれば一部をリスクを取って資産運用する
をオススメします。
学資保険はドアノック商品と呼ばれる理由
あなたが会社員であれば社会保険で万が一に対してほとんど対応が可能です。
いざという時に頼ることができる親も親戚も貯蓄もない若い夫婦に子供ができたときは、掛け捨て型の生命保険に加入するのがよいでしょう。
言ってしまえば、生命保険というのは「扶養家族が多い低所得者向けの金融商品」です。
保険についてもっと詳しく知りたい方はこちらの本がオススメです。
本題の学資保険ですが、これは大損をするわけでもなく、かと言ってめっちゃお得でもない中途半端な商品です。
この学資保険、保険会社にとっては積極的に売りたがらない商品と言われています。
ハッキリ言えば保険会社が儲からない商品なのです。
それでも学資保険が存在するのは、保険業界にとって「ドアノック商品」と呼ばれているからです。
儲けにはならないけど新規顧客の獲得につながって、定期的にコミュニケーションがとれるようになり、生命保険や医療保険などの契約につなげていきたいのが本音なのです。
学資保険について話を聞くはずだったのに、気がつけば終身保険をすすめられていた、なんて話もあります。
彼らも商売として仕事しています。
保険の相談に言って
「あなたには保険加入の必要がありませんよ」
と言ってくれる人はまずいないでしょう。
相手の言いなりにならずに自分で考える必要があります。
まとめ
「子供が生まれたら学資保険」
というのは必ずしも正解とは言えません。
入ってはいけない保険とまでいいませんが、入るべき保険でもありません。
学資保険はドアノック商品と呼ばれ、保険会社としては儲かる商品ではないです。
しかし定期的にコンタクトが取れるようになるので、生命保険や医療保険の営業をかけられるようになるでしょう。
私としては
- インフレリスクに対応できない
- 途中で解約すると元本割れする
という点から積極的にオススメはしません。
基本的には早めにコツコツ貯蓄を始めて、できれば可能な範囲で資産運用にもチャレンジすることをオススメします。
教育費について考えるのに役立つのは、ライフイベント表とキャッシュフロー表を作ることです。
この日本FP協会のツールを使えば無料で作成できます。
FP(ファイナンシャル・プランナー)にライフイベント表やキャッシュフロー表を含む『ライフプラン』を作成してもらって、アドバイスをもらうのもオススメです。
銀行や保険会社にもFP資格者がいてライフプランを無料で作成してくれますが、彼らは売りたい商品のために無料で作成して相談に乗ってくれていることを忘れないでください。
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